top of page

予算委員会第七分科会にて、経済産業省に対して質問しました。

 2月27日午後、予算委員会第七分科会(経済産業省所管)において質問に立ちました。質問項目は以下のとおりです。


1.脱デフレ経済への移行に必要な産業政策

2.物価高に負けない賃上げ実現の具体策

3.スタートアップ支援

4.ヘルスケア分野の投資促進

5.「健康経営」の金融市場における位置づけ

6.伝統産業の振興発展

7.ゼロゼロ融資の返済状況と支援ニーズへの対応


 質疑の概要を勝目事務所においてまとめました。長文につき恐縮ですが掲載いたします。 なお、正確なやりとりについては、議事録をご覧下さい。



1.脱デフレ経済への移行に必要な産業政策

【勝目】

 現在、時代の大きな転換点にある。経済についても然り。来し方30年、簡単に振り返ると、バブル経済とその崩壊があり、雇用・設備・債務、3つの過剰に対処するためサプライサイドの改革をやってきた。企業はコストカットを進めて、結果、企業そのものは経営体力を回復をしたが、大きな副作用が残った。不安定な雇用、上がらない給料、老朽化した設備、また、デジタル化の遅れもそうだと思う。

 これは一般論であって、個々の企業を見れば必ずしも当てはまらないところも多々あろうが、社会全体としてはそういうことだった。しかも、リーマン・ショックという大不況期も経て、こうした副作用が更に増幅をされた。所得は増えない、消費が増えない、経済が振るわない、成長しない、そして所得が増えないというデフレスパイラルが続いてきたため、正当な対価を払わない経済でしのいできた。

 これは、人を大切にしない社会ということにもつながって、少子化もこういったところにも大きな要因があると思う。したがって、こども未来戦略にもイの一番に、若い世代の所得向上というのが書いてある。

 こういった状況自体を批判することはたやすいが、バブル経済の崩壊というのはそれほどまでに傷痕が深かった、厳しいものであったということであろうし、また個々の企業にとってみれば、それはもちろん、自分たちの経営を成り立たせるために所与の条件の下で最善の努力をした結果なんだということで、企業を批判をしたところで、こういった状況を改善できたかというと、そうではなかったんだろう。

 アベノミクス三本の矢というものを通じて、経済再生、デフレ脱却を目指したが、成果がやっと上がってきたかなというところでコロナ禍に襲われた。

 ただ、コロナ禍も明け、足下の状況というのは大きく変化している。人手不足、あるいは生産性が必ずしも上がっていないことによる供給制約を要因として、また円安による輸入物価の上昇もあって、物価の上昇が続いており、今後も続く見込みだと。日銀総裁が先日答弁されたように、現象としてはデフレではなくてインフレの状況にある。また、株価も、今日も過去最高を更新したが、非常に高い水準にある。

 それでは、今政府が「デフレからの完全脱却」を掲げるのは間違いなのか、デフレなのかインフレなのかという問いもあったが、間違いなのかといえば、私はそうじゃないと考える。私たちにとって必要なことというのは、現象を描写をして言葉遊びをするのではなくて、30年に及ぶデフレ経済の中でしみついた行政、企業、消費者、この行動変容に至るまで、デフレ経済に過度に適応してしまった社会システムを脱デフレ型の経済に移行するように変革をしていかなければならないからだということである。

 そして、まさに今、その転換を図るべきときにある。供給制約でインフレが起こっているときに、デフレ的にコストカットをしていたら、これはもう経済成長を伴わないインフレ時代を迎えることになる。

 マクロ経済の現状を見ると、家計と企業が貯蓄超過にあって、政府が大変な債務を抱えているというのが今の状況である。企業の内部留保も500兆と非常に高い水準になっていて、国内の設備投資が低調なんじゃないか、こういう指摘もあり、企業の過少投資というのが引き続き課題になっている。

 したがって、今、取るべき道というのは、やはり何といっても供給力を高めることだということである。つまり、二十数年前に言っていたサプライサイドの改革と逆方向のサプライサイド改革をしないといけないということで、テクノロジーと人にしっかり投資をしていくということ、それによって生産性を高めるということが非常に重要だ。企業を指弾するだけでは現実は動かない。

 そこで、経産省さんとして、この脱デフレ経済への移行に必要な産業政策、一番根本になるが、お考えをお聞かせいただきたい。


【経済産業省政策統括調整官】

 御指摘のとおり、これまでの日本経済を振り返ると、長いデフレの中で、企業がコストカットに注力をして利益を拡大してきたという、いわゆるコストカット型経済ということになっており、特に日本国内における設備投資や人への投資は諸外国に大きく後れを取ったと認識している。

 また、政府においても、民間主導という考え方の下で、民間の制約を取り除く市場環境整備策を中心として、新たな価値創出に向けた取組が結果として不十分であったと認識している。

 ただ、一方で、足下の日本経済は、100兆円規模に達しつつある国内投資、そして3.5%を超える賃上げという双方において、30年ぶりの高水準を示している。着実な潮目の変化が見られると認識している。

 経済産業省としては、足下の潮目の変化を捉え、この流れを確実なものとするべく、GX、DXなどの社会課題解決分野を成長のエンジンと捉えて、産業政策を強化する経済産業政策の新機軸に取り組んでいる。

 こうした政府支援により、企業が国内で積極的に投資を進めることで、供給力を強化していく、こうした取組が労働生産性を向上させることで、更に持続的な賃金上昇にもつながるものと考えている。

 引き続き、コストカット型経済から、投資も賃金も物価も伸びる成長型経済へ転換できるように取り組んでまいりたい。


【勝目】

 今ほど御答弁いただいた、成長型の経済への転換、これは本当に欠かせない。今、骨の髄までデフレマインドがしみついていて、また、企業も、これまでの経験がデフレ下しかないという人たちが多い。だから、プライシング一つを取っても、ほかのところより1円でも安くということしかノウハウが積み上がっていなくて、そういう先輩から学んで、いつまでたってもデフレ型の行動様式が続いていく。ここを本当に断ち切らないといけない。

 そうした中で、今回、産業競争力強化法等の一部改正法案なども御提案されると思うが、まさに供給力を強める経済体制へと経産省さんも総力を挙げて取り組んでいただきたい。



2.物価高に負けない賃上げ実現の具体策

【勝目】

 その中で、今おっしゃった、人への投資の一環として、やはり賃上げも欠かせない。これは、当然、生産性が上がって、結果として賃金が上がるという意味において、供給側の強化でもあるし、また、実入り、所得が増えるという意味で、需要側を強化するという、まさに経済を前に進めていくために不可欠なパーツである。

 令和6年度の予算は、あらゆる分野で賃上げをするという考え方に貫かれている。大企業も中小企業も、あるいは医療、介護、福祉といった公定価格分野についても、国、地方の政府調達を受ける事業者においても、例えば設計労務単価の大幅な引上げが想定されているように、とにかくあらゆる分野での賃上げ。もちろんタイムラグはあるだろうが、今回、経産省としても、賃上げ税制等々不退転の決意で様々な取組を進められると思うが、効果についてのイメージが湧くような形で御説明をいただきたい。


【経済産業省政策統括調整官】

 物価上昇を上回る可処分所得の増加を実現するためにも、やはり今年の賃上げが大きな鍵を握っている。

 このため、経済産業省としては、まず経済団体に対して、昨年を上回る賃上げを呼びかけている。

 また、賃上げ促進税制については、既に20万社以上に活用されているが、今回の税制改正において、前例のない長期となる5年間の繰越措置の創設など、抜本強化することにより、更に中小企業の全体の6割を占める赤字の中小企業でも活用できるようになる。

 また、価格転嫁については、昨年9月時点の価格転嫁率は45.7%となっている。この転嫁率の更なる上昇を目指すために、一つは、発注企業の価格交渉、転嫁状況についての企業リストの公表、あるいは経営トップへの大臣名での指導助言、そして下請Gメンによる取引実態把握の強化、そしていわゆる労務費の指針、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針、これの周知徹底に取り組んできた。

 こうした取組と併せ、省力化投資等の生産性向上への支援も行い、賃上げを強力に後押しすべく政策を総動員してまいりたい。


【勝目】

 地元を歩いていると、賃上げについて話をしても、事業環境が整っていないという話になるが、そこですくんでしまったら、物価上昇だけが起こり経済が停滞するということで、転嫁対策についても話をしている。

 ただ、物流業者さんなど、なかなか転嫁が進まない業種、業態というのもやはりある。公取も今、優越的地位の濫用に当たるおそれも出てくると指導に入っていただいている。中企庁、公取連携の上、実効のある転嫁対策、これなしには、結局、大企業は給料が上がっても、あとは配当に流れて、経済の循環、国内に回っていかないということになるので、非常に重要な取組である。是非実効性を持ってやっていただきたい。



3.スタートアップ支援

【勝目】

 供給の牽引役も新しい力が求められる。スタートアップが機動力高くイノベーションを誘発していくことが不可欠である。

 先般、スタートアップ議連でエコシステム協会の方からも伺ったところ、今、相談窓口ワンストップ化を進めているが、分野ごとの専門性の高いアクセラレーターの集積、目利きの集積が必要とのことである。速やかにその確保が必要とのことであった。また、ステージでいうと、どうしてもレイターが弱くサポートを厚くしていかないといけない、など様々な課題がある。

 これは一朝一夕に全て体制が整う類いのものではないので、大変御苦労もあろうかと思うが、スタートアップ育成5か年計画の策定から1年余りが経過し、10兆円という大変大きな目標も掲げている。スタートアップ支援の現在地について、御報告をいただきたい。


【経済産業省政策統括調整官】

 スタートアップは、新しい技術やアイデアにより社会課題を解決し、市場に新たな刺激を与えるということで、市場の活性化や既存企業の生産性向上をもたらす存在だと考えている。これは、社会課題を成長のエンジンに転換して、持続可能な経済社会を実現することを目指す新しい資本主義の考え方を体現するものだと考えている。

 一昨年、令和4年11月に、政府はスタートアップ育成五か年計画を策定した。その中で、三つの柱、人材の育成やネットワークの構築、それから資金供給の強化、そしてオープンイノベーションの推進というこの三つの柱で政策資源を総動員して、官民でスタートアップを育成することに取り組んでいる。また、主要施策については、ロードマップを作成し、KPIを定めて進めている。

 この中で、経済産業省においては、例えば、2027年度におけるメンターによる若手人材の発掘、育成、年間500人を目標として、未踏的なアイデア、技術を持つIT人材を発掘、育成する未踏事業の規模の拡大、あるいはディープテック分野や地方への展開、そして、2027年度までに累計で世界各地へ1,000人を派遣することを目標として、イノベーション人材の育成及び海外イノベーション拠点の設置、人材とのネットワーク構築のためのプログラム、J―StarXの推進に取り組んでいる。それぞれ今年が初年度ということではあるが、着実に実績を今積み上げている。

 今後とも、政府全体でフォローアップを行いつつ、資金供給、人材確保、出口戦略の強化などをしっかり推進してまいりたい。



4.ヘルスケア分野の投資促進

【勝目】

 その中で、分野としてヘルスケアについて申し上げたい。私、この間、厚生労働の関係で活動することが多くて、医薬品や医療機器のイノベーションを進めていかないといけないということで、薬価や薬事行政あるいは医政の分野、そういう厚労省が専担的に担う部分というのが非常に多い。ただ、関係者で議論していると、創薬力の強化一つを取っても、まさにアカデミアの成果をちゃんと産業化をしていかないといけないが、そのノウハウの部分というのがどうしても経産省のお力をお借りしないと、なかなか厚労省だけでは育成も限界がある。この間コミットいただいていることに敬意と感謝を申し上げたい。

 ヘルスケアについては、新技術を社会に実装していく、また、健康づくりに寄与するというのは、それぞれ、高齢社会が非常に進んでいる中で、当事者としてもクオリティー・オブ・ライフが高まりますし、結果として医療費の抑制にも資するということで、非常に社会的な意義も大きい分野である。また、世界的にも成長が期待される分野ということで、ここを日本として取りに行かないと、今、デジタルと医薬品でもう膨大な貿易赤字を抱えて、もちろん、配当で返ってきている所得収支の分はあるにしても、そういう状況にある中で、このヘルスケアについて、やはりしっかり取り組んでいかないといけない。

 令和5年度には補正予算も組んでいただいて、ヘルスケア分野の投資促進につながるような取組もしていただいているわけでありますが、この進捗含めて、方針をお伺いしたい。


【経済産業省総括審議官】

 予防・健康づくりを支えるヘルスケア産業や、医療に必要不可欠な医薬品、医療機器産業は、国民の健康を下支えするとともに、経済成長を牽引することができる重要な分野。

 経済産業省としては、厚生労働省等の関係省庁とも密に連携しながら、まず、ヘルスケア分野では、パーソナル・ヘルス・レコードを活用した新たなサービスの創出、地域と連携したスタートアップ創出拠点の整備に取り組んでいる。

 医療機器分野では、イノベーションを牽引するスタートアップの創出や、国際機関と連携したアジアへの展開を進めている。

 医薬品分野においては、新薬創出の鍵を握る創薬ベンチャーに投資が集まるエコシステムの構築、さらには、ワクチン、バイオ医薬品の国内製造拠点整備などへの支援を行っているところ。

 こうした取組を通じ、ヘルスケア分野にしっかり投資が集まってくる状況を創出してまいりたい。


【勝目】

 大変大事な分野なので、是非お取組を御継続、拡充をしていただきたい。



5.「健康経営」の金融市場における位置づけ

【勝目】

 ヘルスケアを社会実装するためには、それぞれの企業の力というのも非常に大きい。この間、健康経営に取り組んでいただいて、もう10年経つが、大きく広がって飛躍をしている。

 先日、厚生労働委員会で経産省に伺ったが、中小企業への浸透が課題だということだった。引き続き是非進めていただきたいが、今日は別の観点からお伺いをしたい。

 冒頭申したように、大変な人手不足で、人材の希少性が高まっている中で、従業員の方に、いかに健康に、フルパフォーマンスで仕事をしていただける、その環境をつくるかというのは、企業にとっても経営戦略そのものになってきていると感じる。

 私自身、今、党の方で、女性の生涯にわたる健康について様々な議論をさせていただいて、経産省さんからも参画をいただいているが、先般、女性の健康課題による損失というのが3.4兆円に及ぶという試算を明らかにしていただいた。この試算の中で、実は男の更年期による損失も結構大きくて、1.2兆ということでありまして、こういう、実際に数字が出ることで、マグニチュードというか、その影響の大きさが見える化してきて、これはいよいよ意識を持って取り組んでいかないといけない、こういう環境が醸成されていくものと考える。

 このように、企業の経営のいわば持続性を左右する項目になってきている。そうすると、今度は、金融市場において、投資家が企業を見る目の目線の中に、健康経営をちゃんとやれているかどうかということが入ってくるんじゃないか、とも思うところ。

 こういう金融市場における取扱いも含めて、健康経営の今後についてお伺いしたい。


【経済産業省総括審議官】

 経済産業省においては、人的資本投資の土台として、経営者が従業員の健康増進に戦略的に取り組むことで、生産性向上、ひいては企業価値向上につなげる健康経営を推進してきた。

 金融市場との関係であるが、健康経営に取り組む法人を見える化するため、2014年度より金融市場からの適正な評価を目的にした健康経営銘柄の選定を開始したところであり、選定された企業の株価はこれまでのところTOPIX平均を大幅に上回る推移となっている。

 加えて、2016年度からは、健康経営優良法人も認定しており、申請数は調査開始以来増加している。今年度は大規模法人と中小規模法人の両部門で合計2万社を超えた。

 一部の機関投資家においては、健康経営の取組を投資評価の一項目として活用するなど、投資家や金融市場を始めとした様々なステークホルダーからも評価を受けている。そのため、最近では、有価証券報告書等において健康経営の取組を情報開示する企業も増加し、投資家との対話に活用されていると聞いている。

 一方で、健康経営の取組の質に差があることや、中小企業を始め地域における認識はまだ不足しているということが課題であると認識しており、今後、経済産業省としては、健康経営の効果分析等を検討する健康経営の可視化と質の向上、二つ目に、健康経営関連サービスの創出を推進する新たなマーケットの創出、三つ目として、中小企業等への普及拡大を検討する健康経営の社会への浸透、定着、この三本柱を中心に、官民連携をして、この健康経営を一層普及してまいりたい。


【勝目】

効果分析と可視化は非常に重要。是非お取組をお進めいただきたい。



6.伝統産業の振興発展

【勝目】

 地元案件に近くなっていくが、伝統産業についてお伺いしたい。

 私の地元京都は、御案内のとおり、伝統工芸、伝統産業の町。仏壇、仏具、表具、人形、器、扇子、和装関係ということで、多くが国指定の伝統工芸品になっておりまして、今なお暮らしの中に息づいている。

 ただ、京都ブランドなどというが、ほかの産地と同様に、現実はなかなか厳しい状況にある。需要が縮減をしており、また後継者難にも悩んでおられる。多段階の下請構造もあって、サプライチェーンも非常に脆弱性を抱えている、こういう状況。

 この伝統工芸品がもたらすものというのは、これはもう世界で日本しか、更に言うと、京都でしか提供できない、まさにオンリーワンの価値。なので、世界レベルで付加価値が高いということは伝産品の大きな意義だと思うんです。インバウンドで、今海外からもお客さんがたくさんいらっしゃっている中で、海外展開といったものもしっかり進めたい。これは、マネタイズを通じたサプライチェーン全体に循環をしていく、その入口に立つもの。

 例えば、今京友禅でインドのサリーを作るという取組を進めており、このプロジェクトはもう3年目に入って、デザインもかなり洗練をされてきていいる。先般は、ムンバイとデリーで展示会をやり、こっちの在東京のインド大使館でファッションショーも開催をされふなど、新しい取組をやっている。西陣織と友禅と、あと丹後ちりめんという三つの産地、これまで全然ばらばらにやっていたが、去年、今年とまとめて、みんな一緒に東京で展示会をする、こういうことも今始まっている。

 この京友禅サリーは、もちろんインドで浸透してほしいなというのはあるが、今サリーというのは、もう欧米で高級ファッションとして着用されているわけであり、こういうところへの展開にもやはりつなげていきたいという思いがあります。こういう海外展開へのノウハウ支援、あるいはネットワークの紹介もどこかしらお願いできるとありがたいですし、三産地についても、やはり、新しいマーケットに、よりアウトリーチできたら効果も高いと考える。

 なので、この伝産品の育成支援というのも、単に補助金を出しますとか、あるいは海外で展示会をやるときに、それをお金の面でサポートしますというのにとどまらず、そういう専門性の高い御支援を何らか構築していただけると非常に効果が出てくるんじゃないかと。また、関係機関、関係省庁との連携も不可欠。方針についてお伺いしたいと思います。


【経済産業省大臣官房審議官】

 伝統工芸品産業は、日本人の生活に根差したものであり、地域の産業を支える重要なもの。その担い手を守り、生業や産地を維持していくためには、海外需要も獲得していくことは重要である。

 このため、経済産業省においては、一般財団法人伝統工芸品産業振興協会とも連携し、海外展示会の出展支援などや、海外での販路拡大に向けた情報提供など、多面的な支援を実施している。

 さらに、文化庁や農林水産省における様々な取組を行っているので、関係省庁とも連携して、伝統工芸の振興を推進してまいりたい。


【勝目】

 この伝統産業を、保護する客体としてではなくて、やはり産業として成り立っていくということができれば一番ベストなわけであり、日本ならではの価値を、単に言葉の上でするのではなくて、しっかりそれにふさわしい経済的価値を獲得できるような、そういう具体的な支援といったものをこれからも是非研究をしていただきたい。そういうつながりを持っているのはいろいろ、民間でもそんなに表に出ていないところでいらっしゃるんだろうと思う。そういうところを是非つないでいただけると、これは大変勇気づけられる取組になると思うので、よろしくお願いをしたい。



7.ゼロゼロ融資の返済状況と支援ニーズへの対応

【勝目】

 最後に、ゼロゼロ融資についてお伺いをしたい。コロナ禍を乗り越えるための金融支援ゼロゼロ融資、返済も進んできているところだと思う。今年の補正予算でも、ゼロゼロの返済が始まっているところが更に積極投資をする際に使える資本性劣後ローンの条件改善などを取り組んでいただいている。

 私の地元は旅館業も多くて、今非常に、コロナのゼロゼロ融資の返済ももちろんやってはいるが、経営に与える負荷も大きいというところで、常にいろいろな支援があるとありがたい。

 現状をお聞かせいただくとともに、具体的にどういう支援ニーズを皆さんお聞きになっていて、どういう対応をされているか、最後に伺いたい。


【経済産業省中小企業庁山本事業環境部長】

 御指摘のとおり、民間ゼロゼロ融資の返済が本格化し、利用者の6割程度が返済中である中、コロナ禍で増大した債務の返済負担軽減や経営改善、再生支援のニーズが高まっているものと認識している。

 こうした事業者のニーズに対応すべく、昨年一月にコロナ借換え保証制度を開始して、返済期間の長期化と収益力改善を一体的に支援している。これまでに約14万件、約3.6兆円の借換え申込みを承諾している。

 加えて、昨年8月に、挑戦する中小企業の応援パッケージを公表している。中小企業の経営改善、再生支援の強化を進めているが、その中で、御指摘のあった資本性劣後ローンについても、昨年11月の経済対策を踏まえ、黒字額が小さい回復途上にある事業者の金利負担を軽減するよう、運用を見直したところ。

 今後、関係省庁と連携し、年度内に再生支援の総合的対策を取りまとめる。引き続き、事業者に寄り添い、きめ細かく支援をしていく。



■衆議院インターネット中継

(上記リンク内「発言者一覧」 勝目康 17時06分~ をクリックすると動画をご覧いただけます)


Комментарии


bottom of page