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文部科学委員会にて、質問に立ちました。

4月17日、衆議院文部科学委員会にて質問に立ち、学校教育法改正案について政府の見解を質しました。


質疑の概要を勝目事務所においてまとめましたので、長文につき恐縮ですが、掲載いたします。なお、正確なやりとりについては、議事録をご覧下さい。



【勝目】

 今般の学校教育法改正案は、専修学校における教育の充実を図ろうというもの。専修学校は、情報や自動車整備などの工業系、看護・リハ職・歯科衛生や歯科技工といった医療系、理美容・調理などの衛生系、保育・介護などの福祉系、そして文化・教養系など、現場で働く人材を育成し、これらのサービスが社会において適切に提供される基盤を担っていただいている。


 コロナ禍真っただ中にあっても、医療や衛生、福祉など、いわゆるエッセンシャルワーカーとして献身的に仕事をし、ポストコロナの今はDX化が全ての分野で一気に進み、また、コロナで大変傷んだ地域の再活性化も待ったなしであるが、これらの現場を支えているのもまた専修学校を卒業した方々が多い。


 他方で、非常に人手、人材が不足をしている。このままでは我が国の社会はもう成り立たなくなってしまうのではないか、今の人手不足の状況の危機感は広く共有されている。


 専修学校で学ぶことによって、技術を習得するのはもちろんであるが、その背景にある精神やプロフェッショナリズムもしっかり学んで身につけて、そして社会に出て仕事を第一線で担っていただいている。


 少子化が進み、18歳人口も減り続けている中で、専修学校が果たす役割は非常に大きくなっていると認識している。


 また、若者の地元定着という観点でも、全国平均で、大学を卒業した方は4割程度しか地元に残らないが、専門学校の卒業生は7割が地元に残る。母数の違いは考慮に入れる必要があるが、そうした観点でも地方創生に貢献しているのが専修学校だと言える。


 しかも今、リカレント・リスキルの時代。専門学校、今7%が社会人の学生ということであり、一定の役割を果たしていると言える。


 外国人についても、日本で学ぶ留学生の4分の1、25%は専門学校で学んでおられて、卒業して3割は日本で仕事をされている。


 このように、労働市場の流動化や人材の国際化が進み、また国としても構造的な賃上げを推進している今、専門学校は社会のニーズに応え、必要な人材を育成、供給しているということである。


 しかし一方で、我が国の学校制度というのは、幼・小・中・高・特支・高専・大学といった、いわゆる学校教育法1条に規定する「一条校」かそれ以外かという二分法の中で制度が組み立てられている。


 専修学校、つまりは職業教育の重要性が我が国の教育行政において十分に考慮されてきたか、認識され、体系立てられてきたかというと、この制度創設以来50年であるが、少しずつ前進してきてはいるが、十分だったかなという疑問は持たざるを得ない。


 例えば、高校の卒業後の進路として取り上げられるのも、ほとんどは大学への進学ばかりで、専門学校は余り考慮されていないというケースはよく耳にする。これもよく考えればおかしな話で、卒業生が専門学校に進んで、技術を身につけて、着実に仕事をこなして、そしてそれを発展させる、社会的に尊敬をされたりビジネス面で成功されたりというのは普通にある。専門学校の今のような位置づけが、かえってこどもたちの将来の進路、選択の幅を狭めてしまっていないか、社会とのミスマッチを起こす元になっていないか、こういうこともよく考えるべきである。


 諸外国では、という言い方をするのは私は余り好きではないが、あえて申せば、ヨーロッパではアカデミックの方と職業専門教育ヴォケーショナルを峻別した上で、それぞれしっかり体系をつくるというアプローチを採っているそうである。アメリカはむしろ職業専門教育をアカデミックの方に寄せて体系をつくっているという、アプローチは二つあるようであるが、日本もやはり「一条校」とそれ以外というこの二分法から脱して、職業専門教育というものをしっかり体系立てて発展させていくべきではないかと考えている。


 今般の法改正は、専修学校の果たしている、あるいは今後果たすべき重要な役割にふさわしい立場を備えられるようにするものだと私自身は認識をしているが、まず盛山大臣に、今回の法改正の趣旨を伺いたい。7年前の学校教育法改正で専門職大学の制度が導入されたが、このときとの違いを含めてお聞かせいただきたい。


【盛山文部科学大臣】

 専修学校の専門課程、いわゆる専門学校は、社会の変化に即応した実践的な職業教育機関として、医療、福祉、工業等の分野において社会基盤を支える必要不可欠な人材を輩出してきた。


近年、リスキリングやリカレント教育といった職業教育の重要性が高まっていることを受け、専門学校においても、教育の質の向上を図り、質を保証する観点から、専門学校における教育と大学における教育との間の制度的な整合性を高め、両者の間の円滑な移行を可能とするとともに、専門学校修了者の学修成果の社会的な評価の向上や学修継続の機会を確保するための制度の整備などが必要と考えている。


 本法律案では、こうした状況を踏まえ、専門学校について、入学資格の見直し、専攻科の設置に係る規定の創設、修了者への専門士の称号の付与、大学と同等の項目での自己点検評価の義務づけ及び外部の識見を有する者による評価の努力義務化などの措置を講じることとしている。

 

 なお、専門職大学との関係については、専門学校は、修業年限や教育内容等に関し弾力的な取扱いが認められており、その特性を生かして国家資格や職業に直結する知識、技術、技能などの修得を目的としている。他方、専門職大学は、実習時間や教員資格、認証評価等について、法令の厳格な定めにより、卒業時に学位を授与する大学としてふさわしい教育研究の水準を担保した上で、資格取得のためだけではなく、教養に関する授業や理論と実践に基づく演習を行っている。


  文部科学省としては、専門職大学と専門学校の振興を両輪で進めていくことが重要と考えており、それぞれに求められる役割を果たすことができるよう、今後ともしっかり取り組んでいく。


【勝目】

 専門職大学は、まさに一条校の方に職業教育を寄せているという中で、単に資格取得、職業に直結する部分だけではなくて、やはり研究などアカデミックな部分を入れ込んで初めて成立するということだと思う。そうすると、専門職大学があるから、専修学校、専門学校の方はこれまでどおりでいいということではなくて、やはり専修学校の方はその充実をしっかり図っていかないといけないということなのかなと感じたところ。


 今ほど大臣御答弁あったように、専門士の資格、これは既に付与されていますけれども、これをしっかり運用上のものから法定をしていくという中で、制度の面でも法令の面でも担保して、そしてアカデミックとの間の整合性を保障していくということと理解した。


 それでは、職業専門教育を質高く実現をしていく必要がやはり出てくるが、当然、制度を整えるだけではなく、専門学校の側においても、教員やカリキュラム、施設設備、あるいは企業等現場との連携など、その実質を備えていくことが求められる。かつ、客観性も担保されないといけないと考える。


 この点、平成26年から職業実践専門課程という制度が導入されている。企業等と連携して教育課程を編成をする、実習を行うといったことや、あるいは学校関係者評価と情報公開、これが認定要件になっているが、この仕組みをどうしていくのかということも関係するが、専門学校の質の向上を図り、その客観性を担保するための取組について御答弁をいただきたい。


【文部科学省総合教育政策局長】

 今般の改正については、専門学校について、高等教育機関としての位置づけを明確にし、大学における教育との間での制度的な整合性を高めることとするものであり、高等教育機関としてふさわしい教育の質を確保することは必要不可欠と考えている。


 大臣からも御説明させていただいたが、今回の改正では、専門学校には大学と同等の項目での自己点検評価を実施し、当該専門学校の教育、組織及び運営並びに施設及び設備の状況につきまして自己点検評価を行い、その結果の公表を義務づけるということとしている。


 また、外部からの客観的な指摘を受けられるようにすることも重要であり、外部の識見を有する独立した専門の評価機関による評価を努力義務としているところ。


 職業実践専門課程、これは企業と密接に連携した専門教育にとりわけ取り組んでいる専門学校として文科大臣が認定をしているが、この文科大臣が認定を行う専門学校に関しては、外部の識見を有する者による評価を認定等を受けるに当たっての要件とすることを今後検討をしてまいりたいとも考えており、より客観性が高い評価の実施を促してまいりたい。


【勝目】

 今ほど、職業実践専門課程における外部評価というものを認定の要件にすることも検討していくということなので、しっかり、質の向上と、そしてそれを裏づける客観性の担保を更に進んでいく方向で考えたい、こういうことと理解した。


 続いて、学び直しについて伺う。

 足下の物価高を乗り越えるということで、賃上げを実現しないといけない。30年間日本をむしばんできたデフレ経済から完全に脱却をする、その鍵の一つが人への投資ということである。政府としても、5年間で1兆円との施策パッケージを今展開しているところであるが、専門学校、専修学校というのはその重要な受皿の一つだと考える。


 先ほどの職業実践専門課程であれば、これは厚生労働省の教育訓練給付金の対象になるし、また、企業が社員教育のために専門学校に通わせて授業料を負担をした場合、これは賃上げ促進税制の控除額を上乗せをする要件として、対象経費に含まれる。制度的にも後押しが進んでいるということもあって、積極的に取り組んでいくべき。


 今回の法改正によって専門学校は学び直しの機能をより発揮できるようになるのか、専門学校自身に求められることと併せてお答えをいただきたい。


【文部科学省総合教育政策局長】

 専門学校では、高校等を卒業した後に直接進学する者のみならず、4万人を超える社会人が国家資格の取得等に向けて学び直しを行っている現状がある。


 今般の改正では、一定の要件を満たす専門学校には専攻科を置くことができることとしているが、社会人が実務経験を経て更なる実践的な知識、技術、技能の習得あるいは資格の取得を更に目指すという場合に、専門学校が学び直しの場となるよう制度的な整備を図ることとしている。


 また、単位制に移行することにより、一旦中断をした学習の再開に当たり、取得した単位について認められるようになる、大学への編入学などの学習機会の確保にもつながるものであり、学び直しに資するものと考えている。


 社会人の学び直しを通じて、社会の変化に即応し、社会基盤を支える人材を輩出することが重要であり、専門学校はその役割をしっかり果たしていくものと考えている。


【勝目】

 今回の法改正で規定をされる専攻科の創設と、そして単位制の導入ということが、まさに学び直しの方にも直結をする制度改正だということを確認をさせていただいた。


 続いては、外国人について。

 先ほど留学生の4分の1が専門学校で学んでいると申し上げたが、専門学校から見れば1割の学生が留学生ということで、結構な割合となっている。専門学校で学んで卒業して、いわゆる技人国、技術・人文・国際の在留資格を得て日本で就職するのが3割ということですが、実は、7割の学生は、日本で就職したい、仕事したいと言っていて、でもそのうちの4割しか働けていないというのが現状。


 人手不足に悩む日本、もちろん不法滞在を助長するような運用は論外であるが、日本を知り、日本が好きで、日本で学んだのだから日本で働きたいという外国人に、もちろん相応の実力があることは前提になるが、もっと活躍のフィールドを提供できないかと考えるところ。お考えを伺いたい。


【文部科学省総合教育政策局長】

 留学生30万人計画を達成した令和元年度時点では、高等教育機関及び日本語教育機関における留学生総数の25%に当たる約8万人の外国人留学生が専門学校に在籍をしていた。令和4年度には、コロナがあったので、約5万人の留学生を受け入れているところ。


 今回の改正により、専門士の称号を法律に位置づけることにしているが、これについては、その国際通用性を高め、卒業生が外国の大学への留学等の際に学歴が適切に評価されること、外国人留学生が帰国後の社会的通用性を高め、就職や進学を促進することなどの効果があると考えている。


 留学生の方が、学んだ後に就職を更に日本でしたいという場合に、大学卒業者に比べ、学校で学んだ内容と就職先の業務内容の関連性がより厳格に求められているところがあった。


 このため、令和6年4月より、外国人留学生キャリア形成促進プログラムという認定の制度を設け、専門学校の学科において、就労のための在留資格について、大学と同様に、業務関連性が柔軟に判断され、留学生が適切に就労の機会を得るための改善を図ったところ。


 なお、当プログラムの認定を受けた専門学校については、留学生の在留管理の徹底が求められるのは当然であり、不適切な事案が生じた場合には認定の取消、所轄庁である都道府県や出入国在留管理庁と連携して、在留管理の徹底をしてまいりたい。


【勝目】

 これまで、専修学校の質の向上、学び直し、そして外国人の活躍ということで質問してきた。


 最後に、大臣に改めて、職業専門教育の充実発展、今後どのようにお取組になるか、お聞かせいただきたい。


【盛山文部科学大臣】

 我が国においては、少子高齢化や生産年齢人口の減少が進み、他方、医療や福祉、工業などの社会基盤を支える必要不可欠な人材を確保していくため、職業教育の果たす役割は極めて大きい。


 このため、文部科学省においては、社会の変化や多様な学習ニーズなどに対応した実践的な職業教育や専門教育を実施するため、専修学校における教育の充実に取り組んできたほか、5年一貫教育を行う高等専門学校、平成31年に創設された専門職大学、工業や農業、水産などを学び、全高校生の約17%を占める専門高校などにおける教育も併せて、職業教育の振興を総合的に図ってきた。


 現在御審議いただいている法律案により、実践的な職業教育を担う大きな柱である専門学校について、その教育の質の保証を図り、高等教育機関としての位置づけを明確化することとしているが、それ以外の学校も含め、それぞれの教育機関が求められる役割を果たしつつ、社会の変化を踏まえた多様な職業教育の充実が図られるよう、しっかりとこういった教育の分野に取り組んでいきたい。


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